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レンズ金型の基礎 Information Title
レンズ金型の種類や構造、求められる精度、成形品質を左右する重要ポイントを分かりやすく解説。
高品質な光学レンズを安定して量産するための技術と、金型づくりで押さえるべき要点をご紹介します。

「高精度レンズを実現する金型構造と加工・管理技術」
レンズ金型の基本
レンズ金型とは

レンズ金型とは、プラスチックレンズを大量かつ高精度に製造するための金型です。
光学性能を満たすため、一般的な成形金型と比べて桁違いに高い精度が求められます。
金型の表面形状は、レンズの曲率・光学特性に反映されます。
金型に材料を流し込んだり、押し当てたりして成形することで同じ形状・同じ性能を持つ高品質なレンズを安定して量産します。
超精密加工機を用いた研削加工やダイヤモンド切削が採用されます。
表面が非常に滑らかで、形状精度が非常に高いことが特徴です。
レンズの種類と特徴 1
1. 球面レンズ
- 形状の特徴
表面が完全な球
曲率半径が一定 - 光学的特徴
設計、解析が容易
球面収差が必ず発生 - 用途
単純な集光レンズ / 低倍率レンズ / 低価格カメラ / 照明用

2. 非球面レンズ
- 形状の特徴
回転対称
形状中心から曲率が変化 - 光学的特徴
球面収差、コマ収差を大幅に低減 - 用途
カメラレンズ / プロジェクター / スマートフォン用レンズ / 光通信用レンズ / 車載ヘッドランプ

3. 自由曲面レンズ
- 形状の特徴
回転対称でないX・Y方向で形状が異なる
数式に表しにくい三次元曲面 - 光学的特徴
設計自由度が高い
非対称収差補正が可能
光学系の劇的な小型化 - 用途
AR・VR ヘッドセット / 車載ヘッドランプ / HUD / 医療・航空・軍事光学

レンズの種類と特徴 2
「球面レンズ」「非球面レンズ」「自由曲面レンズ」のそれぞれの特徴をまとめると、以下の表のようになります。

金型構造と動作

金型は、レンズに要求される高い形状精度・面精度・光学性能の再現性を重視して設計されており、固定側と可動側から成り立っています。
固定側は成形機に固定され動かない側の金型で、型内に樹脂を流し込むスプルーがあります。
可動側は金型の開閉時に動く側の金型で、製品を取り出す為のエジェクタ機構があります。
金型構造:固定側

- 断熱板によって成形中の温度分布の乱れを抑制しています。
金型の熱膨張に起因する形状誤差や繰り返し成形時のばらつきを低減し、量産領域における形状安定性の向上を図っています。 - 形状精度の基準となる固定側レンズ入子を配置しており、成形中の樹脂流動および保圧工程において、レンズ形状を安定的に保持する役割を担っています。
- 可動側との相対位置決めは、ガイドピン、ガイドブッシュによって管理されています。
型締め時においては位置決めコッターにより形状中心位置および光軸の再現性が確保されています。形状偏肉や形状PV値の悪化要因となる芯ずれを抑制しています。
金型構造:可動側

- レンズ入子を配置し、EJ(エジェクタ)ピン、EJプレート、リターンピンによる押出機構を備えています。
離型動作においては、光学面への局所的な応力集中を回避することを前提とした構造で、成形後の形状歪み、面うねり、微小変形の発生を最小限に抑える設計が施されています。 - 取付板およびスペーサーブロックにより金型全体の剛性を確保するとともに、断熱板によって成形中の温度分布の乱れを抑制しています。
金型の熱膨張に起因する形状誤差や繰り返し成形時のばらつきを低減し、量産領域における形状安定性の向上を図っています。
成形品質を左右するポイント

ガスベントは、溶融樹脂が流入する際に金型内の空気・樹脂ガスを逃がすことで成形不良を防止するための構造です。
最終充填部・肉薄部・突き当たりに設置すると効果的で、足りないと成形不良が発生し、多すぎるとバリの原因になります。
ゲートは、樹脂の充填状態をコントロールし、流れ方や仕上がりを決める重要な部分です。
製品の形状によって最適な位置、幅、厚みを設定します。
よくある成形不良の事象としては、ショートショット、ガス焼け、ウェルドライン、ゲート跡、白化、ヒケ、寸法不良などがあります。
実際にはベント不足が原因の成形不良が多いとされています。
レンズ意匠の精密加工
レンズ面の高精度加工で最も重要なポイント
「機械の運動精度」「温度管理」「測定・補正技術」など複数の要素が複雑に絡みます。
レンズ金型の加工の5ステップ
- 粗加工(近似形状の形成)
- 中仕上げ(形状に近づける)
- 仕上げ加工(ナノレベルへ精度追い込み)
- 測定(3D 測定で形状誤差を可視化)
- 補正加工(測定結果を反映して再加工)
「加工 → 測定 → 補正」のループがレンズ金型の本質です。

数ミクロンの誤差も光学性能に影響を及ぼす為、加工時の工具摩耗・温度変化の管理が重要!
金型の中でも最も高付加価値・高難易度な分野とされています。

3軸加工とC軸の組み合わせで複雑な非球面レンズ形状に対応
レンズ金型 製作フロー
光学精度を極限まで追求する製作プロセス

管理すべき精度
光学製品における精度管理の基礎
- 形状精度

- 寸法精度

- 表面粗さ(面粗度)
- 位置精度(芯ズレ・同軸度)

光学レンズの精度は大きく4項目に分類できます。形状精度、寸法精度、表面粗さ、位置精度です。
形状精度はレンズ金型の曲面形状が設計通りかどうか、寸法精度は外径・厚み・段差などの寸法の正確さ、表面粗さは金型表面のなめらかさ、位置精度はレンズ中心と外径のズレや入光面と出光面の芯のズレを示します。
ナノからミクロン単位の誤差管理を徹底し、超高精度を実現します。
選ばれる理由 価値を創る力
― 経験に基づく金型の最適化 ―



